芦刈山(あしかりやま) 綾小路通西洞院西入

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 摂津の国・難波に住む貧しい夫婦を語る謡曲「芦刈」が由来。
 妻は,貧乏のあまり宮仕えをしようと都へ出るが,夫は一人寂しく難波の浦で芦を刈って売っていた。夫を気がかりに思った妻が訪ねると夫は隠れてしまうが,妻は夫を追いかけて語り合い,やがて衣類を与えて都へと帰っていく。
 芦刈山のご神体は,妻に去られて寂しく芦を刈る老翁の姿を表している。

 ご神体の人形と衣装は戦国時代の作品で,山鉾の中でも屈指の古さ。
 人形の頭には「天文6年(1537)酉年六月七条沸師運慶之玄孫式部卿法印康運作」の墨書銘が,また,古衣裳の小袖「綾地締切蝶牡丹文様片身替小袖(あやじしめきりちょうぼたんもんようかたみがわりこそで)」にも天正銘があり,人形と共に重要文化財に指定されている。
 現在は最近作られた衣装を着ている。

 前懸は,以前は風景図の毛綴だったが,1985(昭和60)年に山口華楊画のライオンを描いた凝視図を新調。

 胴懸は,旧は雲龍文様の刺繍であったが,1992-1993(平成4〜5)年に緒方光琳の六曲屏風を元にした燕子花図綴織を新調。

 見送は,中国製花鳥の刺繍を用いていたが,1985(昭和60)年から山口華楊画の鶴図。

 欄縁の彫金飛雁の錺金具は,1903(明治36)年の川辺華挙下絵による藤原観教作。

 芦刈山が保有する江戸時代の旧胴懸,鶴亀蜀紅絲錦裂(つるかめしょくこういとにしきぎれ)及び獅子蜀紅文繻珍小袖(しししょくこうもんじゅちんこそで)などは,重要な染織品。

 山の正面と側面には,芦の造化が飾られる。

 


 

新町通の巡行

 


 

雨の巡行

2002年の巡行では旧装飾品が用いられていたが,雨のためビニールシートに覆われていた。

室町通を通って山町へ帰る芦刈山。

宵山 | 写真集


※関連リンク: 芦刈山ホームページ 京都祇園祭



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