前懸は,旧来は1785(天明5)年に作られた唐美人遊楽図の絽刺(ろざし)だったが,1983(昭和58)年から上村松篁筆の秋草図。
胴懸は,呉道子描龍図と陳平飼虎図の刺繍で,やはり1785年の石田幽汀(1721-1786)下絵による松屋源兵衛の作品だったが,1987(昭和62)年に上村松篁氏による「花の汀図」および「春雪図」を新調。
見送は,1815(文化12)年製,丸山応慶(1790-1838)下絵による山水仙人図だったが,1994(平成6)年に上村松篁筆の「都の春図」の綴織を新調。
後懸は,1875年改修の黒ビロード地福禄寿図刺繍であったが,1991(平成3)年に上村松篁氏の下絵による桃山時代の屏風を原画にした「阿国歌舞伎図」綴織に新調された。
山には普通屋根がないが,日覆障子を乗せている。また,桐桜菊の欄縁の下に金地彩色宝相華文様(きんじさいしきほっそうげもんよう)の板絵の乳隠しが用いられ,古い形式を残している。
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