鶏鉾(にわとりほこ,にわとりぼこ) 室町通四条下ル

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 中国の「諫鼓(かんこ)」の史話より取材。
 唐の堯(ぎょう)の時代は天下がよく治まっていたため,訴訟用の太鼓(諫鼓)も使われることがなくなり,苔が生え鶏が巣を作ったという故事に由来する。

 鉾頭の三角形の中の円盤は,鶏卵が諫鼓の中にあることを表しているといわれており,真木の中ほどにある天王座には航海の神である住吉明神を祀っている。

 天水引は,下河辺玉鉉。

 下水引は,松村呉春(1752-1811),松村景文(1779-1843)ら,四条派画家の下絵。

 前懸の「蓬莱山」は近年の作。

 胴懸は,以前は草花文様インド絨毯などが用いられていたが,住吉明神にちなんで清水寺の絵馬「朱印船」の図柄に新調されている。

 重要文化財に指定されている見送は,16世紀のベルギー製毛綴。『イリアス』の一場面で,トロイアの王子ヘクトールが妻子と別れる場面を描いたもの。江戸時代初期に輸入されたと考えられ,滋賀県長浜祭の鳳凰山見送と対をなしている。

 稚児人形の冠は中央に鶏を乗せた豪華なもので,衣裳は1996(平成8)年に新調されている。

 


 

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